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私の会社のマチャ〜キ専務「ただいま、営業中!」第23話

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第23話: 「なにわサイクルの未来を描くブランディング忘年会議、その③」

 

「なにわサイクルブランドを全社で創り、なにわサイクルフューチャーを全社で描くブランディング忘年会義!」が幕を開け、今後の会社の方針について各テーブルでグループディスカッションが始まったのですが、実行委員の期待を裏切るかのように、いつしか会社に対する不満ばかりが吹き出す忘年会義となって行きました。

 

すると、ある新人社員さんが一人、前方の舞台の上にあるスタンドマイクの前にゆっくり立ったかと思いきや、突然、聞き覚えのない歌を歌い始めたのです。

 

 

自転車がある限り〜♪

この街は元気〜♫

元気な街を〜♪

自転車で創ろう〜♫

 

泣いてる子どもはいなーいかい?〜♪

独りぼっちはいなーいかい?〜♫

 

自転車で友達はできるよ〜♫

元気な笑顔をあげるよ〜♫

 

だからおいでよ、なにわサイクルへ〜♫

 

 

そして、歌い終えた新人社員さんは自身も何をしでかしたのか分からない、そんな表情で、恐る恐る話をし始めました。

 

新人社員:

「実は、僕、学生時代、バンドやっていたんです。で、つい最近、会社の歌(社歌)がないなーって思って、勝手に作っちゃったんです。 もちろん、ここで披露するつもりなんて毛頭なかったんですが・・・、新人の僕には、今後のなにわサイクルの方向性なんて訊かれても分からないし、話せることないし、だから会議の輪の中にすら入れないし、でも、そんなことじゃいけないんだろうなーって頑張って何か言わなくちゃって、思ったんですが、そう思えば尚更、頭の中がパニックになって、ワーーーーーーーって、何が何だか分からなくなって、気がついたら舞台の上で、こうして歌っていました」

 

「ワーーーってなって歌っていました、じゃねーよ!」と、どこかのテーブルから新人社員さんを叱責する声が。

 

新人社員:「すっ、すみません!!」

 

と、その時! そのやりとりを静かに見ていた社長が舞台に登り、新人社員さんからマイクを受け取り、お話を始められたのです。

 

社長:「皆さん、どうか、ここに立つ彼(新人社員)を暖かく受け入れてあげてください。 そして、皆さん、今日は本当にありがとう!! 僕は本当に感動しています」

 

そう話し始めた社長の言葉に、少々、呆気にとられている社員の皆さんが見えました。

 

社長:「僕は10年前に社長になって、このなにわサイクルを一流の会社にしてやろう! それが社員のため、会社のため、業界のため、ニッポンのためと信じてやってきました。 そして、我が社は年々、右肩上がりの成長と続け、こうして100人もの仲間(社員・アルバイト・パート)たちと共に今を迎えられていると思っています。でも、正直いうと、最近、特に今回の新商品プロジェクトが上手くいかなくなった件について、僕は本当に情けないことに、皆さんの仕事に対する姿勢・行動に疑問を感じていました。『なぜ、もっと真剣に考えてモノづくりをしないのか?!』って」

 

静まり返る宴会場。社長は慎重に、それでいて今まで心に溜め込んでいた想いを吐き出すかのようにお話を続けられました。

 

社長:「でも、その疑問は、本当は皆さんに対するものではなく、僕自身に対する疑問だった事に今日、この場で気づかされました。『なぜ、僕は社長として、もっと社員を信じられないのか?!』だったのです。 社員の皆さんは、今日、この忘年会義で様々な意見をテーブル上に広げてくれました。 例え、それが会社に対するクレームだとしても、それらの意見全ては、このなにわサイクルに対する皆さんの真剣な想い! そう気づいた時、僕は改めて思いました。 今まで社長として律し、皆さんを引っ張らなければならないとの思いが強すぎた事で、実は皆さんの声に真剣に耳を傾けず、ワンマンで、身勝手で、一人苦労していると思い込むような、自分だけの殻に閉じこもる事しかできないダメ社長だったと。 このなにわサイクルは僕の会社ではなく、皆さんの会社です。だから僕は社長として、皆さんに「自分たちの会社」と心から思って頂けるような会社づくりを、僕だけでなく皆さんと一緒に創らなければいけない! そう思いました」

 

さらに社長は、

 

社長:「それから、彼(新人社員)は、先ほど言ってくれました。会社の歌を勝手に作った、と。新人だから会社のことは知らないことだらけ。でも、だからこそ自分ができることを、こうして彼なりに見せてくれた。 僕は、それで良いと思いました。 いや、むしろ、そうであるべきと。 社歴が長いから多くを知っているとか、経験豊富だから発言できるとかではなく、それぞれの社員がそれぞれの個性で、できる事を考え、行動してくれることこそ、なにわサイクルが求めるチームワークを生み出す事に他ならないし、その一つ一つのチームワークが未来のなにわサイクルを創ると、改めて思うからです」

 

社長:「皆さん、僕はここで、皆さんに誓います! なにわサイクルの未来への方針は、『なにわサイクルのチームワークを信じて進む!』 つまり、みんなが創りたい未来をみんなで考え・創る事をこれからの、なにわサイクルの方針と致します!!」

 

 

そうおっしゃって、社長は舞台から降りられました。

 

その後、忘年会義は、普通の忘年会の盛り上がりに変わり、100人もの社員さんたちは、皆、素敵な笑顔で残りの時を過ごされていました。

 

つづく。

 

このブログドラマは、半分フィクションです。